・歴史
のんきな僕:徳川家康や源頼朝なら、ボクでも知っているよ。年代の覚え方は、たとえば794年(泣くよ)平安京遷都、1192年(いい国)鎌倉幕府開設と覚えるんだ。
やさしい母:話がバラバラね、でも、一応合っているわ。
きびしい父:ところで、君たちは、なぜ歴史を学ぶのかな。
ボク:なぜって、そう言う科目があるからさ。試験に出るからに決っているじゃないか。
はは:それでもかまわないけれど、もっと大切な目的があるわ。
かしこい姉:それってなんなの?
ちち:ああ、歴史というのは人間の行動の積みかさねだよな。だから、「
歴史を学ぶことは人間を学ぶこと」なんだ。
あね:いったいどういうこと?
ちち:たとえば、ローマ帝国建国の父、ユリウス・カエサル(シーザー)は、戦いに強かっただけでなく、柔軟な考え(ものごとにこだわらず、自由に考えること)の持ち主であったことが知られている。
カエサルは、「采(さい)は投げられた」との有名な言葉を発したのち、軍を引きつれてルビコン川を渡りローマを制した。当時、武器をたずさえてローマに入るのは、かたく禁じられていたのさ。
ボク:へえ、そうなんだ。
ちち:カエサルは、多くの国々を征服したが、征服した国々のリーダーを殺すことはしなかった。彼らが敵対しない限り、その土地の統治を任せさえした。
カエサルは、敗者にも希望を与える男だったのだ。
はは:ステキよね。わたしはカエサルの大ファンだわ。人類史上にかがやくヒーロー中のヒーローよね。
ちち:ナチスドイツのアイル・ヒットラーは、ドイツ選民思想(ドイツ民族は他の民族よりすぐれているという考え)を持った男だった。そして、氷のような冷酷さをもって、その思想を実行したんだ。
あね:数百万人にも及ぶユダヤ人を虐殺したのね(ホロコーストと呼ばれる)。
ちち:
ヒットラーは、人間は悪魔にもなれることを証明したのさ。
ボク:そうか、
歴史を学ぶ目的は、これまで人間がしてきたことを知り、そこから未来をつくり出すヒントを学ぶことなんだね。
ちち:まさにその通り。
父の指針:歴史から人間を学べ。